スタジオニコルソンが今季展開する uptown raver の世界観には、トライバル(部族的)なエッセンスを感じさせる要素が、随所に散りばめられています。それは、知人との近しい距離感や、他人との一体感がもたらす安心感、何かに属することを快適と感じて快く受け入れる、そんな文化を称えるような世界観でもあります。スタジオニコルソン22AWの世界へ足を踏み入れ、「ニューカジュアル」が見せてくれる、新たな「文明」を体感してみてください。
MEN'S AUTUMN-WINTER '22 - UPTOWN RAVE
今季は、カルト的な人気を誇る映画監督、Gus Van Sant(ガス・ヴァン・サント)の代表的な書籍『108 Portraits』からインスピレーションを得て作り上げたコレクションです。モノクロの正面からの直線的なポーズを、最小限の照明で撮影したポートレートが続く本作。ロークヲリティーなプロジェクトとして始まったこの作品は、いつの間にか20世紀のオルタナティヴ映画とカルチャーを代表する、紳士録のような存在になりました。この作品を出発点とし、22AWコレクション「Uptown Rave」は、レイブ世代の良い意味での無頓着さを体現するような「バギー」スタイルを取り上げ、快楽主義や、自由な空気感を体現させることで、いつものスタジオニコルソンのスマートさを、より洗練された印象に仕上げています。
『108 Portraits』に登場する、映画に出てくるような、個性のあるキャラクター達がインスピレーション源となり、今季の個性的なシルエットを生み出しています。生きた本物のキャラクターを描くように、着心地良く見える一連のルックは、その見た目通りに着心地良く仕立て上げられています。スタジオニコルソンのセパレートを着用するのは、生きるため、挑戦するため、先を見据えるため。贅沢なスタイリングと、丈夫で耐久性のある品質が融合した、信頼できる衣服です。
スタジオニコルソンのモジュラー・ワードローブは、近未来的なスタイリングでモダンな印象を発揮しつつ、幅広い年齢層に対応し、年齢差の壁を打ち破るような存在。スタジオニコルソンらしい着こなしを促す方程式を、姿見にメモで貼り付けておけば、あっという間に着こなして外出できる、そんな明快な公式で表現できるのがこのワードローブの特徴です。今季のメンズはトラディッショナルなスタイルをアレンジさせるように促される公式です。例えば、トラディッショナルなスタイルに Palme Knit のように3本の糸で編まれた、幾何学的なジャカードのジャンパーを合わせることで、コレクションにグラフィカルな冒険色を。
あるいは、レイバーの魅力を存分に引き出す、Waters Shirt で使われているような、起毛コットンのタンチェックのアイテムたちを合わせてみる。履きやすい Helix Shortsや、 Flint と Dark Stone の2色の中綿入りボタンダウンの Idaho Giletにも、90年代半ばの Keanu Reeves (キアヌ・リーヴス)らしい要素が凝縮されています。
細身で大人っぽい下四分丈のオプションを選ぶのであれば、ウールフランネルの Road Pantを。こちらはアップタウンなエネルギーを増幅させるように、手書き風に仕上げ、ロングで細身にテーラードされています。まさにオールドスクールの洗練されたスタイルと、若者の反骨精神が融合した今季のコレクションです。王道の用務員ライクなスタイルが良ければ、丈夫でスポーティなコットン/ポリ混紡素材で仕立てられた、セットアップのShears Jacket と Dillon Pant を合わせれば完成です。これらのアイテムはゴム引きテープのジッパーを大胆に使い、ワークウェア最高峰のラグジュアリーを表現しています。
冬の主役のコーデュロイは、ベーシックな Ivy を使用し、ストレートレッグの Greene Pant とWight Jacket に。カーフレングスの Sampson Coat は、Cocoa の再生ウールで仕立てられ、気温が急降下する日のために、すべてをやさしく包み込む断熱材として機能します。 Black Grape のレザーパーツは、Kennedy Jacket で表現。
さながらルパンピンク(ピンクルピナスの花)のような素材感で閃光を放ち、遊び心をくすぐるのは極上のラムズウールのニット。Hemyl Guernsey Sweaterや、Sen Cardigan、エキストラロングスカーフの Miles で使用されるニット類は、アップタウン・レイバーの意図的にリラックスしたスタイルに、サブカルチャーが混ざり合った極上のスタイリングに仕上げています。
LEANNE CLOUDSDALE IS THE STUDIO NICHOLSON EDITOR-AT-LARGE | PHOTOGRAPHY BY NIKKI MCCLARRON
Launches Thursday 21st July